元ロシア駐在員による楽しく身につくロシア語オンライン講座

【体験談】瞑想未経験者が10日間のヴィパッサナー瞑想合宿@京都に行ってみた

2020/03/05
 
この記事を書いている人 - WRITER -
根畑陽一(Yoichi Nebata)
1987年石川県生まれ、金沢市在住。神戸大学経営学部卒。 新卒で三井物産株式会社に入社し、約9年半勤務。会社の語学研修制度で、ロシアのオムスク(シベリア)でロシア語を習得。ロシア・ウクライナに合計4年駐在し、主に日系自動車のビジネスに従事。 退職後、民間レベルでの日露交流をもっと深めたいとの思いから、ネバタロシア語オンラインスクールを立ち上げる。 TOEIC920点、ロシア語検定テ・エル・カイ第3レベル(C1レベル)。 趣味は旅行、読書、ストリートダンス。学生時代、ロサンゼルスにて1年弱の語学兼ダンス留学を経験。自身のYouTubeチャンネルでロシア動画を配信中。

ヴィパッサナーという10日間の瞑想合宿@京都に行ってきました。

1、ヴィパッサナー瞑想とは  

ヴィッパサナーとは、「ありのままを見つめる」という意味で、ブッダが悟りに境地に至った時の瞑想法。ミャンマーに受け継がれていたものを、ミャンマー人のゴエンカ氏がインドで復活させ、そこから世界に広げたものです。現在では世界に170ヶ所の瞑想センターがあります。瞑想法のルーツは仏教ですが、考え方やメソッドは、宗教に関係無く効果があるものとして、広まっています。

後から知りましたが、自分の周りの友達では日本人、アメリカ人含めて3人くらいが経験者でした。

日本には京都と千葉の2カ所にあります。私は当初本場のインドで修行してみたいと考えていましたが、京都センターの存在を知って、どうせなら和食が食べたいと思い、京都にしました(笑) 
ちなみに京都といっても兵庫県近くの山奥で、京都駅から電車とバスを乗り継いて1時間半の京丹波町という山奥にあります。気候の変化が激しく、日向ぼっこできるくらい暖かい昼もあれば、朝は氷点下で霜が出て、雪が降る時もありました。誰かが雪だるまを作ってました。

*ゴエンカ氏
ミャンマーでビジネスマンとして相当成功するも、事業の浮き沈みが激しく、心の病から頭痛に苦しむ。世界中の医者にかかっても頭痛は治らず、ミャンマーに伝わるブッダの瞑想法を実践したところ、心が穏やかになり、頭痛も治る。宗教に関わらず人の心を安らかにする瞑想法だと確信し、ヒンドゥー教であった家族の反対を押し切って、インドに渡る。その後、インドから世界中に瞑想法を広げる。
日本には平成元年に京都センターが開いたときに来日。2013年に死去。晩年には麻酔無しで手術をして、痛みに反応することなく、ただ呼吸を観察していたという達人。慣れるまでお経と講和は長く感じるものの、独特の話し方でユーモアがある人です。

瞑想センター外観
1日の時間割

10日間は携帯電話は使用禁止、テレビラジオは無く、人との会話、目を合わせること、メモを書くことが禁止され、外の世界との接触は完全に遮断されます。朝4時起きで、1日10時間ひたすら瞑想します。瞑想の初めと終わりにはゴエンカ氏のインストラクション、お経が流れます。夜は1時間強の講話で、日本語訳のテープが流されます。瞑想方法について指導者にアドバイスを仰ぐことはできます。

休憩時間は筋トレ、ヨガなどの運動は禁止されており、中庭を軽く散歩することなら可能です。また、シャワー浴びたり、洗濯もできます。瞑想ホール以外は男女も隔離されており、酒、タバコ、一切の性行為が禁止されています。

食事は1日2食の菜食、夕方はフルーツのみ。10日間で2キロ痩せました(!)これを聞いて「私も痩せたい!行きたい!」という人もいますが、それだけの動機で参加すると辛いので断じてオススメしません(笑)

部屋は6人部屋でしたが、夜はいびきと寝言が飛び交ってなかなか寝れない夜もありました。自分の寝言で2回くらい目が覚めることもありました。


2、参加したきっかけ

この1年間は家庭環境の変化、退職という大きな変化の中で、自分の人生を見つめ直す為に色々な本を読みました。その中で、四角大輔氏の「The Journey ー自分の行き方をつくる原体験の旅」という本で、ヴィパッサナー瞑想によって心の迷いが消えたという人の体験談を見て、この瞑想について知ったのがきっかけです。他にも「ザ・ミッションー人生の目的の見つけ方」という本でも、ヴィパッサナーではありませんが、瞑想によって自分の進むべき道に対する覚悟が出来たという体験談があり、興味を持ちました。また、SNSやインターネットで常にオンラインな今の生活で、敢えて10日間全てをシャットアウトするというのは人生でなかなか出来ないディープな経験になるだろうという好奇心もありやってみようと思いました。


3、参加していた人たち

合宿に参加していたのは、自分のように一旦仕事を辞めて次への移行期間で時間が出来た人もいれば、民泊コワーキングスペース経営者、VRスタートアップ起業家、デザイン広告ディレクター、独立コンサルタント、映画監督、映画作家、農家や漁師志望など様々でした。外国からはアメリカ、カナダ、ブラジル、デンマーク人が日本への旅も兼ねて参加していました。

だいたい男性20名、女性20名で、年齢層は20ー40代が中心。
その内、今回初めての合宿参加が約7割、残り3割は2回目以上の参加でした。

当たり前ですが、10日間まるまる外の世界との接点をシャットダウンできる時間の余裕があるor 時間調整ができるというのが参加者の共通です。また、新たなプロジェクトや仕事の前にインスピレーションを得たい、心からリフレッシュしたい、心に安らぎが欲しい、家庭の調和を育みたい、といったのが参加者の主な参加理由だったと思います。

4、瞑想合宿の内容

1-3日目は鼻の周りの感覚を研ぎ澄ませて、呼吸に意識を向けるアーナパーナという瞑想をひたすら行います。呼吸をコントロールするのではなく、自然な鼻呼吸に対してただひたすら意識を集中し続ける訓練です。

瞑想なんてやったことなかったので、呼吸への集中はなかなか持続しません。2−3分もしないうちに、すぐに別のことを考えてしまいます。意識がそれていると気づいたらまた呼吸に意識を戻す。

これをひたすら1日10時間やるというのはとにかくキツかったです。

また、1日中誰とも話さず、外部からの情報が入ってこない為に、自分の思考がループし続けます。ただし、ここではあれこれと考える自分を否定するのではなく、そのありのままを自分を見つめ、客観視することが求められます。

瞑想の始まりと終わりにインストラクションとお経が流れますが、これもとにかく長く感じられます。

それでも、3日間ひたすら続けているうちに呼吸への感覚が前より鋭敏になっていることに気づきます。

4日目からは、全身のそれぞれのパーツの感覚に意識を張り巡らせるヴィパッサナー瞑想に移ります。まずは鼻から頭頂部に意識を移し、何らかの感覚があるか意識を研ぎ澄ませます。その後、頭から顔の各パーツ、肩、腕、手、胸、背中、腹、脚に至るまで、全身を1つ1つ同じようにスキャンします。

空気や服に触れている感覚、脈を打つ感覚、かゆみ、長く座ることによる筋の痛み、しびれなど感覚があれば、何でも大丈夫です。もし、何も感じない部分については1-2分意識を集中し、何か感じられるかをチェックします。感じても感じなくても次の部位に移ります。
そのようにして感じられる部分を少しずつ増やします。

痛みやかゆみなどの不快な感覚も繊細な肌の感覚も現れては消え、現れては消えるということを体感し、それぞれの感覚に反応せずに心の平静さを保つという訓練です。
これも続けているうちに少しずつ感覚が鋭くなっていきます。

また、体を一切動かさずに、1時間同じ姿勢をキープするという決意の瞑想というものが、1日3回行われます。これが慣れるまでめちゃくちゃ辛いです。

足、背中、腰のあらゆるところが激しく痛みますが、それに反応することなく、無視して耐えなければなりません。気力と体力が激しく消耗するので、休憩時間は次の瞑想に備える為に常に昼寝していました(笑)

8日目からは体の表面だけでなく、体の内部、脊髄にまで意識を持っていき、なんらかの感覚があるかを確かめます。心臓の鼓動は感じますが、それ以外はなかなか感じられません。極めていくと全身中を微細な感覚が駆け巡り、体が溶け出すような境地に至るようです。

9-10日目にヴィパッサナー瞑想の後に、世の中の愛と平和と調和を願うアッタナー瞑想というものをします。ポジティブな気持ちになります。

10日目には沈黙が解かれ、参加者同士の会話が許されます。みんな一斉に話し出し、静寂だった瞑想センターが懇親パーティーのような雰囲気になります。お互いの出自、瞑想体験、これからのライフプランなどを共有しあってました。

今まで10日間話さずに、他の参加者を見た目や所作から自分の中で勝手に人のイメージを作っていました。しかし、話してみると職業やバックグラウンドが多様で、人は見かけによらないな、と改めて思いました。沈黙が解かれると、今までの場所が嘘だったかのような、急に別の空間のようになります。安心感とゆとりが出ます。そして、緊張感もなくなり、最後は瞑想への集中力が若干切れました(笑)

5、自分が感じたこと、学んだこと

この瞑想合宿は人によって感じ方はそれぞれです。人が感じたことを自分が感じなかったことを嘆いたり、特定の感覚を求めにいくのは「ありのままを見つめる」ヴィパッサナ瞑想のポリシーに反しているようです。
ですので、あくまで私が感じたことという前提で共有します。

時間の8割くらいは体の痛みに耐え、どの姿勢なら乗り切れるか、を試行錯誤してました。また、「ここを出たらこういうことがしたい」という考えが先走って、早く出たいと思ってました(笑)
ただし、せっかく来たからには真剣にやろうと踏ん張ってました。

残りの2割は自分自身の潜在意識への気づきや、今後持つべきマインドセットのようなものが得られ、この2割を感じただけでも合宿に来てよかったと思います。

私だけでなく、話しかけた参加者のほぼ全員が来てよかったという感想でした。

以下、私の心に残っていることです。

「呼吸は命の鼓動」

夜の講和で、「人は生まれてから死ぬまで絶え間なく呼吸をしています。しかし、普段の生活では過去を悔やみ、未来を憂い、誰も現在の呼吸に意識を向けません。呼吸は生きていることの証です。ブッダは呼吸への着目を強調しました」という話がありました。

その説明の後に、お経を聴きながら、呼吸に意識を集中していると、突然に「自分がこの世に生を授かり、今この瞬間に命がある」ことの有り難みを強烈に感じる瞬間があり、なぜか涙が頬を伝いました。さらには、今まで自分を育ててくれた親、お世話になった友人、仕事仲間に対する感謝の念が自然と湧いてきました。
こんな感覚を味わったのは初めてです。

「呼吸は肉体と精神の境目にある」

同じく呼吸の重要性を説いたブッダは、呼吸は酸素を得るという身体活動だけでなく、精神の動きとも密接に関わっているということを説いています。

人はリラックスしている時は呼吸は穏やかですが、緊張、怒り、悲しみを覚えると呼吸が乱れます。あるいは心臓の鼓動が早くなります。つまり、心の動きは必ず体に現れるということです。呼吸や鼓動に意識を集中すると、自分の精神状態が客観的に見えてきます。

また、呼吸を整えることにより、精神状態が落ち着くこともあります。普段からヨガや瞑想をしている人からすると当たり前の事実かもしれませんが、未経験の私にとっては大きな気づきでした。

呼吸と胸の鼓動が早くなっている時に、体と心を観察し、何が不安なのか、何が潜在意識にあるのか、を考えながら平静さを保つというのは、今後活かせそうです。

「現在に集中することの重要性」

瞑想に集中できていない時に考えていたことは、基本的には未来のことでした。この合宿体験をどのように言語化して人に伝えられるか、合宿が終わったらやりたいこと、今後の仕事の進め方や懸念点、というようなことをよく考えていました。

ただし、あれこれ未来のことを考えたところで、行動しないと物事が動くわけではありません。また、その間は現在の感覚に鈍くなっています。自分の心は本当におしゃべりだな、と感じました。

未来を考えるのは大事ですが、「あれこれ考え過ぎずに、今を感じながら行動する」という感覚を大事にしようと思いました。

「感覚への好き嫌いをなくし、見返りを求めない愛と慈悲を持つ」

ブッダは菩提樹の下で、1ヶ月もの間、微動だにせず瞑想することで、「不快な感覚も心地良い感覚も、自分の体も、世の中の全てが現れては消える無常である」という悟りの境地に至ります。

心地良い感覚への渇望や執着を持つと、満たされないことの苦しみを持ち、不快な感覚を嫌って避けることは嫌悪となり、いずれも苦悩の原因になります。どんな感覚も好き嫌いせずに平静さを保つことで苦悩のループから抜け出せるいうのがブッダの教えです。

人は自分が幸せかどうかを外部環境のせいにしがちです。しかし、ここで説かれている「自分が不幸せであることを自らが選んでいる」という「心の捉え方で幸せは決まる」という考え方は、アドラー心理学の「嫌われる勇気」という本で読んだ考え方にも近いと思いました。

修行の末には自我というものが自然と消えて、見返りを求めない愛や慈悲の気持ちが湧くと言われています。

瞑想をしていると自分の潜在意識の中に金銭欲、物欲、承認欲求、自己顕示欲、情欲などのあらゆる汚れが浮かび上がってきます。その汚れを「ありのままに見つめる」、客観的に見ると自然とそのような汚れが消えていくという考えです。

夢を持って、自分の理想の姿を追求するのは健全ですが、終わりのない欲求や執着心に振り回されずに平常心を保つのが大事ということです。

自分自身の人生・キャリアで、今まで自分がこうやりたい、こうなりたいという欲求を第一に考えてきましたし、今も考えています。でも、最終的に至るべきは、そのような自我の欲求を満たすことではなく、世の中が少しでも良くなるために自分が何かできる、というマインドを持つことだと実感しました。ただし、これも言うは易し、行うは難し、です。瞑想含めた継続した鍛錬が必要だと感じました。

また、新たなプロジェクトを控えた起業家やクリエイター系の参加者達も、インスピレーションを得て、これからやることに対して心が固まったと言っていました。修行を続けていれば、多少の浮き沈みに動揺しないメンタルも養えると思います。

ちなみに、家族内に2人以上のヴィパッサナー瞑想者がいると、家庭内はポジティブなオーラが溢れ、喧嘩などしないらしいです。それはなんとなく想像できます。周りの人たちに嫌悪を抱くことなく、感謝と平静さを持って、少しでも周りにいる人たちを幸せにしたいという気持ちに満たされるという効果です。



ただ、これは入口は頭で理解できても、実際に身につけるには相当の修行が必要です。これから毎日朝1時間、夜1時間瞑想して、年に1度は10日間の同じコースを受けるように指導されます。

ところどころ瞑想は継続していこうと思いますが、今のところそこまでのレベルでやろうとは思えていません(笑)

6、こういう人におすすめ

ハードな瞑想合宿でしたが、何か得るものはそれなりにあるはずです。下記に少しでも当てはまる人はオススメします。

・瞑想やマインドフルネスに興味がある人
・新たな仕事やプロジェクト前で、インスピレーションを得たいという人
・徹底的に自分と向き合いたい人
・人生一度なので面白い体験をしてみたい人(私は最初これでした)
・宗教に関わらず、何かへの信仰心が強い人
・真理を追求し、悟りを開きたい人
・感情の起伏が激しく、心の平静さを持ちたい人
・家庭内の不和を解消したい人
・10日間の修行を真面目に受ける心の準備がある人(これ一番重要!)


ヴィパッサナー協会のウェブサイトがあるので、空いているコースを選択して申し込めます。最近は人気も増えてきて、すぐに予約が一杯になるようです。

ヴィパッサナー京都 ダンマバーヌ ウェブサイト
https://www.dhamma.org/ja/schedules/schbhanu

しんどいことばかりでしたが、最終的に得られるものが大きかったです。
もし、10日間の予定が取れそうという方はぜひチャレンジしてみてください。忘れられない経験になると思います。

この記事を書いている人 - WRITER -
根畑陽一(Yoichi Nebata)
1987年石川県生まれ、金沢市在住。神戸大学経営学部卒。 新卒で三井物産株式会社に入社し、約9年半勤務。会社の語学研修制度で、ロシアのオムスク(シベリア)でロシア語を習得。ロシア・ウクライナに合計4年駐在し、主に日系自動車のビジネスに従事。 退職後、民間レベルでの日露交流をもっと深めたいとの思いから、ネバタロシア語オンラインスクールを立ち上げる。 TOEIC920点、ロシア語検定テ・エル・カイ第3レベル(C1レベル)。 趣味は旅行、読書、ストリートダンス。学生時代、ロサンゼルスにて1年弱の語学兼ダンス留学を経験。自身のYouTubeチャンネルでロシア動画を配信中。

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Copyright© ネバタロシア語オンラインスクール , 2020 All Rights Reserved.