難解と言われるロシア語を習得するコツ
みなさん、ロシア語は難しい言語だという印象はありませんか?
確かにその通りで、アルファベットとは異なるキリル文字を使い、格変化、男性女性中性名詞、動詞活用といった文法が複雑で、最初に挫折する人は多いです。
でも大丈夫です!語学にはコツがあって、正しい努力を習慣化すればロシア語は必ず身につきます。
今回は、ロシア語知識がゼロだった私が、2年でC1レベル(ネイティブクラスのC2の1つ下。仕事で十分に使えるレベル)を取得した経験から、難解と言われるロシア語の習得のコツをお教えします。
また、ロシア語に限らず、英語、スペイン語など含めた語学全般のアドバイスとしては下記動画を上げておりますので、ぜひご覧ください!
1.語学に近道なし。モチベーション維持には小さな成功体験が必要。
スポーツ、趣味、ダイエットでもなんでもいいですが、今まで何かに取り組んで三日坊主になった経験はありませんか?原因はなんでしょう?面倒臭い、何か嫌な思いをした、億劫になってしまった、などのきっかけで人は簡単に諦めてしまいます。
あらかじめハッキリ言っておきます。語学に近道はありません。長期間に渡って継続することが習得する上での大前提です。
でも、人間の意志は弱いもので、辛いと感じるものは長期間継続することはなかなか難しいものです。
ここで大事なのが、語学習得において小さな成功体験を作ることです。
つまり、「前まで全然チンプンカンプンだった言葉が少し分かるようになった」、「話せなかったのに話せるようになった」、「現地人に話しかけたら通じた」、という喜びを味わうことです。
このためには学んだものをしっかり自分のものにするということが重要です。
2. 短期記憶から長期記憶に変える。反復あるのみ
人間の記憶には、「短期記憶」と「長期記憶」の2つがあるというのは聞いたことがあるでしょうか?短期記憶とは短い場合には数秒で忘れてしまうような記憶で、長期記憶とは長いものでは一生覚えているようなものです。
その場で聞いた電話番号やパーティで出会った人の名前をすぐに忘れることはあっても、自分の名前を忘れることはないでしょう。また、子供の頃の印象的だった思い出も何年経っても覚えているものです。
これは全て、脳の中でどれだけ反復されているかにかかっています。
つまり、短期記憶を長期記憶に変えるのは反復です。
脳に繰り返し、その事柄を刻み込むことによって、少しずつ長期記憶に変わっていきます。
語学を学んでいると無数の新しい単語が出てきますが、これをひたすら繰り返すことが重要です。数回というレベルではありません、数十回と繰り返していくことによって、長期記憶になり、自分のものになります。
せっかく勉強した単語や表現も長期記憶になっていなければ、とっさの場面でなかなか単語は出てこないものです。「うわーあれなんだっけ?せっかく勉強したのに。あー思い出せない!」ってなります(笑)
これが原因で、「語学は面倒臭い」「私には向いていない」と言って、語学を諦めてしまうのが世の中には多すぎます。身についていないのは、才能が無いからではなく、人間の脳の作りを踏まえた上で正しい努力をしていないからです。
新しいものを記憶するためには反復がとにもかくにも大事です。学んだものを復習して、口に出して、何度もアウトプットする練習をしましょう。授業で学びっぱなし、教科書を斜め読みしただけでは、絶対に語学は身につきません。
でもみなさんここはポジティブに考えましょう!
逆に言えば、反復さえすれば小学生でも年配の方であろうと誰でも必ず身につくのです。
良い意味でスポーツ、趣味、ダイエットと共通するのは、語学もやったらやった分だけ返ってくることです。
そして、身についた表現を生かし、実際にネイティブスピーカーと話して、「理解できた!」「通じた!」「楽しい!」「やってて良かった!」という喜びを味わえます。私はこの快感を味わうために、語学を勉強していると言っても過言ではありません(笑)
小さな成功体験を味わうために、日々地味な反復練習を続けるのです。
1日30分でも、15分でも構いません。朝起きた後、通勤の電車の中、寝る前も使えます。また、スマホを触ってSNSをしたり、ゲームをしたりする時間があれば、その中でほんの15分捻出するだけでいいのです。
時間は短くてもよいので、なるべく毎日続けましょう。脳は反復を好みます。毎日の習慣にしてしまえば、出来るはずです。毎日が無理なら2日に1回でも良いでしょう。とにかく、続けることに価値があります。
3. 例文ごと暗記し、日本語からロシア語に変える練習を繰り返す
それでは実際に使える語学を身につける為には、どのような反復練習をすれば良いのでしょうか?
私がおすすめするのは、例文ごと暗記することです。ロシア語は文法のパターンが他の言語に比べて複雑で、文章の構成によって、単語が活用変化します。単語だけを覚えていても、とっさの一言で活用させるのは難しいものです。
したがって、例文ごと覚えてしまうのが一番効果的です。例文はなるべくよく使われる一般的な内容のものが良いでしょう。また、自分に関することを述べた文章を覚えてしまうのもとても良いです。新しい人と会った時に、すぐ使えるようになります。
さらに、私がおすすめするのは、日本語の文を見て、ロシア語訳に変える反復練習をすることです。これをやっておけば、とっさの時に言いたいことをロシア語で表現できるようになります。ロシア語から日本語訳は、その逆が出来ていれば自然とできます。
このように何度も例文を覚えて、覚えるまでひたすら反復することによって、「実践に使えるロシア語」が身についてきます。ロシア語の格変化、活用も最初に一通り習っただけではなかなか身につきません。例文の暗記をしながら、「ふむふむ、ここではだからこの活用になっているのか〜」と理解しながら、繰り返していれば自然と身につくでしょう。
4.文章、ラジオ、会話でもロシア語のインプット、アウトプットを増やす
あとはいうまでもなく、ロシア語に触れる機会をとにかく増やすことです。インプットとアウトプットに分けてご説明します。
インプット:
・新しい文章を読み、分からない単語を調べて意味を理解する。
・何を言っているか分からなくても、ロシア語の音声、動画などを見る。単に聴き流すのではなく、聞いた音声を頭の中のストックにある単語と結びつけて理解するように努める
・ロシア人の会話を聞き、上記と同様、理解するように努める。分からない単語だらけでも気にせず、とにかく聞く。「こういう場面ではこういうフレーズを使うのか」という持ち帰りがあればベスト。
アウトプット:
・自己紹介の文を作成し、新しい人に出会った時に使ってみる
・頭の中で思ったことをロシア語に変えて、発言してみる
・ロシア人が使っていたフレーズを実際の場面で使ってみる
これを繰り返すことによってロシア語はどんどん上手くなります。
特にアウトプットが重要です。特に日本人はアウトプットの場面で、「間違えてたら恥ずかしい」と思って、おっくうになってしまう人は多いと思います。でも、間違えてもいいので堂々と口に出してみましょう。「間違いを恐れない」というのは語学を習得する上で、重要なマインドセットです。
最近、私は趣味の1つとしてスペイン語も勉強していますが、間違いを恐れずにアウトプットすることのメリットを感じたことがあったので共有します。
スペイン語ではナイフは「Cuchillo クチーヨ」 、スプーンは「Cuchara クチャーラ」と言います。なんとなく似てますよね。
「誰かが市場でリュックサックをナイフで開けられたことがあった」と言いたかったのですが、単語がなんとなく似ている為に、間違えて「スプーンで開けられたことがあった」と言ってしまいました。すると、メキシコ人の友人は「ナイフじゃないの?スプーンで開けるって笑」と大笑いしていました。
恥ずかしいと感じてしまう場面かもしれませんが、ささやかで平和な笑いが起きただけではなく、私にとっても、ナイフとスプーンはもう間違えないくらい記憶に残る場面になりました。
これはあくまで一例ですが、このようにトライアンドエラーを繰り返すことによって、記憶がどんどん強固なものになっていきます。
だからアウトプットをどんどんやっていきましょう。完璧主義になってはいけません。
まとめ
・語学は継続。小さな成功体験を作らないと継続しない
・小さな成功体験を作るには、語学を着実に自分のものにすること
・1日15分でもいいのでなるべく毎日習ったものをとにかく反復し、短期記憶から長期記憶に変える。
・例文ごと覚えて、日本語からロシア語訳にする
・インプットはもちろんのこと、間違いを恐れずにアウトプットの機会を増やす
これが語学を効果的に習得する基本的なコツです。英語でもロシア語でも全く同じです。難解とよく言われるロシア語でも、1つ1つ反復していけば誰でも必ず話せるようになります。
ペラペラと外国人と話して、世界が広がっていく喜びを想像しながら、やってみましょう!